厚生労働省の労働経済動向調査より
令和6年8月に行われた調査に「労働者不足の対処方法に関する事項」があります。この調査では人手不足と回答している事業者は80%に上り、人手不足に悩む事業者が多いことがわかります。
どのような対処方法をとったか
令和5年8月からの1年間に人手不足を補うためにとった方法と割合、今後1年間にとるであろう割合を紹介します。
(いずれも複数回答)
- 正社員等採用・正社員以外から正社員への登用の増加……過去1年間59%、今後1年間60%
- 在職者の労働条件の改善(賃金)
……過去1年間55%、今後1年間48% - 臨時労働者、パートタイマーの増加
……過去1年間40%、今後1年間41% - 派遣労働者の活用
……過去1年間38%、今後1年間35% - 求人条件の緩和……過去1年間36%、今後1年間34%。求人の条件緩和は賃金、労働時間、休暇、学歴、必要資格、経験等の条件が挙げられています。
- 離職、転職の防止強化、再雇用制度、定年延長、継続雇用等……過去1年間34%、今後1年間36%。離職転職の防止策としては労務管理の改善(労働条件以外の福利厚生、労使関係)、教育訓練の実施などが挙げられています。再雇用は高齢者の定年後再雇用のみならず、子育てで一旦退職した女性も再雇用する仕組みをとっているところもあります。
- 在職者の労働条件の改善(賃金以外) ……過去1年間31%、今後1年間31%。労働条件の改善は休暇の取得促進、所定労働時間の削減、育児支援、復帰支援制度の充実などが挙げられています。
- 配置転換・出向者の受入れ……過去1年間25%、今後1年間24%
- 省力化投資による生産性の向上・外注化・下請け化等……過去1年間16%、今後1年間19%
今後人手不足に悩む事業者は
上記のように調査に回答した事業者は様々な対処方法で人手不足を乗り越えようとしています。このような施策を行わないままでは、人手不足は解消されません。自社の取り組みを検討してみましょう。